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パラレル・ゲーマー 2026/06/21 公開 2026/07/09 16:30 更新
事故死した平凡なOLの私が次に目を覚ますことになったのは、剣と魔法の異世界――ではなく、西暦590年頃の古代欧州だった。
しかも、転生前に出会った黒猫姿の上位存在いわく、私は魔法使いとしての才能があるせいで前世の記憶消去を弾いてしまったらしい。
「現代知識チートですね!」
そう浮かれた私に、猫は心底哀れむような目で告げた。
「気の毒に。あの時代は控えめに言って地獄じゃぞ」
実際、その言葉は正しかった。
隙間風の入る小屋。湿った藁の寝床。足りない食べ物。安全とは限らない水。病院も薬局もネットもない生活。
そして、貧しい村の女児として生まれた私は、やがて口減らしで森に捨てられる未来を告げられる。
頼れるのは、うろ覚えの現代知識……ではなく、前世で友人たちから聞いた雑談の数々。
医者の友人が語っていた衛生の話。
建設業の友人が熱弁していた水回りの話。
経理の友人が怒っていた帳簿と在庫管理の話。
歴史好きの友人が語っていたキリスト教と古代欧州の話。
そして、なろう好きの友人が散々ツッコんでいた「知識チートものの失敗例」。
自分の知識で動くと失敗する。
でも、友人たちの言葉を思い出すと、なぜか生き延びる道が見えてくる。
森に捨てられた私は、やがて不思議な力を持つ魔女に拾われる。
未来の味を知る私は、お菓子作り係として命をつなぎ、薬草、祈り、保存食、病を遠ざける術を学びながら、少しずつ本物の魔女へと成長していく。
村では魔女の弟子。
女たちには薬師。
教会には怪しい賢女。
後世には、なぜか聖女。
これは、古代欧州に転生した元OLが、友人たちの知識と魔女の術で極貧生活を生き延び、やがて聖女とも魔女とも呼ばれる存在になっていく物語。
なお本人は、だいたいずっと白目である。
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