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貫井 2026/11/06 公開 2026/11/07 12:00 更新
「君なら分かってくれるだろう?」
婚約者のアルヴィンは、いつもそう言った。
幼馴染のリディアが困っているから。
リディアが不安がっているから。
リディアには自分が必要だから。
私との約束は、いつだって後回し。
一度目は、婚約披露の夜会。
二度目は、三年間準備してきた仕事の発表会。
それでも私は、彼を信じようとした。
次こそは私を選んでくれると、約束してくれたから。
しかし三度目の裏切りは、私が人生をかけて作り上げてきた改革案を、幼馴染の功績として称賛したことだった。
それだけではない。彼は幼馴染を守るため、私にまで責任を押しつけようとした。
その瞬間、ようやく分かった。
彼にとって私は、いつだって二番目だったのだ。
「これが三度目です。私を二番目に選ぶあなたに、三度目の機会はありません」
私は婚約指輪を返し、三年間尽くしてきた公爵家を去った。
向かった先は、厳しい冬に悩まされている北部の辺境領。
そこで出会ったのは、私の能力を正当に評価してくれる一人の辺境伯だった。
「君の力を貸してほしい。もちろん、相応の報酬と権限を用意しよう」
初めて、自分の努力を当たり前だと思わない人に出会った。
私は新しい土地で仕事を始め、少しずつ自分の居場所を作っていく。
一方、私が去った王都では、これまで私が支えていた仕事が次々と行き詰まり始めていた。
今さら謝られても、もう遅い。
私はもう、誰かの二番目ではない。
これは、何度も二番目に選ばれてきた伯爵令嬢が、自分の人生を取り戻し、本当に大切にしてくれる人と出会う物語。
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