異世界恋愛 短編

「幼馴染が濡れるから」と婚約者が傘を持っていったので婚約破棄したら、公爵閣下の傘がいつも私に傾いています

もしものべりすと 2026/11/06 公開 2026/11/06 21:06 更新

あらすじ

「コレットが濡れるから、これ借りるよ」
雨の夜会の帰り、婚約者のフェリクスはまた私の傘を持っていった。今年に入って三度目。
「リーゼは丈夫だから」――母にも婚約者にもそう言われ、私は子どもの頃からずっと、雨の中を一人で歩いてきた。

その夜、頭の上に差しかけられたのは、氷の公爵と呼ばれるアルフレート閣下の黒い傘。
「入れ。俺は濡れても困らない顔をしている」

婚約を返した翌日、なぜか閣下から婚約の申し込みが届く。
公爵家で「望みは」と聞かれた私が、やっと口にした小さな願い――「雨の日に、誰かと一つの傘に入ってみたい」。
その日から、庭師は膝の痛みを、料理長は燕を、閣下は夜明けの雲を見張りはじめて……。

傘を一度も差してもらえなかった令嬢と、五年間馬車に傘を二本積み続けた不器用な公爵の、雨の日の溺愛物語。

(短編・約8,000字/ハッピーエンド)

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