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志結 2026/01/30 公開 2026/03/19 20:10 更新
──あぁ、自分を思い知るということは、なんて苦しく、残酷なことなのだろう──
デビュー五周年を迎え、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの六人組男女混合ダンスボーカルユニット、BLUE BIRTH。
彼らは幼少時代、様々な苦難やトラウマを抱え傷付き、その苦しさのあまり自死を選ぼうとしてしまう程の悲惨な過去を経験してきた。
しかし大人になった今、ステージに立ち夢を掴み取ったことで、自分を誇りに思える人間へと成長していたのだ。
──普通なら、これでハッピーエンドだ。
過去にそれぞれの傷を抱えた彼らが、それらを乗り越え希望を手にするまでのサクセスストーリー。
もしもこれが御伽話なら、めでたしめでたし、で物語は締め括られるだろう。
しかし、その栄光こそが悲劇の始まりだった。
『拝啓 10年後の私へ──』
子供だった自分が書いた手紙を受け取り、それを鼻で笑って燃やしてしまえるような、彼らはそんな大人になっていたのだ。
転機である五周年という節目で、十三歳の少年『葵瑞(あず)』を新メンバーとして迎え入れたことで、彼らの偽りの栄光は少しずつ崩れ始めていく。
思春期という子供と大人の狭間で葛藤し、それでも誇りを手離すまいと苦しみながらもがく葵瑞の姿に、大人になってしまった彼らは嘲笑い侮蔑の目を向ける。
そんな時、番組のロケで訪れた無人島で、六人はそれぞれの青い鳥居を見つける。
それを潜った瞬間、最も苦しかった時期の子供の自分の姿と対峙したことで、彼らが栄光を手にすると同時に失っていたものに気付かされる。
今の自分は、子供の自分を殺すことで生き永らえて来たのだと──。
「あんな大人には絶対にならない」というたった一つの誓いさえ忘れて、手段と目的が入れ替わった強迫観念だけを携えて、彼らが最も忌避していた姿になっているのだと──。
そして再び死への誘惑に取り憑かれながら、それでも終わってくれない日々を、ただただ屍のように過ごしていく。
喪失は獲得であり、獲得もまた喪失である。
では本物の救いは、一体何処にあるのか。
これは、そんな彼らの、
ハッピーエンドの向こう側の物語──。
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