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幸辰 2026/01/12 公開 2026/10/27 18:12 更新
名を持たぬ魔獣たちが匿われる場所――魔獣園。
成人式の日、仲間たちと会場に向かう途中
異様な光に包まれ、忽然と姿を消す。
目を覚ますと、そこは魔獣園――
そして彼の体はレッサーパンダになっていた。
人としての記憶と言葉を持ったまま
魔獣として、この地で生きることになったニコ。
「魔獣は討伐対象だ」
「この国のやり方なんだから仕方ないんだ」
そう告げられ、ニコは理解する。
ここは、名も与えられず、種族の名で括られたまま
ただ働かされる場所なのだと。
――そのはずだった。
人間と魔獣、双方の言葉を理解できるニコは
その希少性から、次第に職員の手伝いを
任されるようになる。
一つ、また一つ。
ニコが誰かのために動くたび
この場所は、少しずつその輪郭を変えていった。
過酷な労働、理不尽な扱い――
そう見えていたものの裏側には
不器用ながらも魔獣を想う飼育員たちがいて
名を呼ばれることを待ち続けていた魔獣たちがいた。
この世界では、進化は長い年月を必要としない。
生き方と、必要とするものが――変化をもたらす。
名を呼ばれた日、進化が始まった。
それは、世界を変える力なんかじゃない。
ただ、隣にいる誰かを、名前で呼ぶこと。
魔獣園を舞台に描かれる
静かで確かな成長と変化の物語。
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