ポイント
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
読者の反応
- ブクマ
- 0
- 感想
- 0
- レビュー
- 0
- 評価者数
- 1
- 平均評価
- 8.00
- 週間読者
- 0
ブクマと評価ポイントの推移
日別の値
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
総合ランキングの推移
順位を読み込んでいます…
Hellmärc 2026/02/23 公開 2026/02/26 01:02 更新
彼から借りる本は、シガレットの香りがした――――
ケイトは、不幸な人生を送ってきたわけではない。
ただ、父は去り、進学はつまずき、信じていた友人は金を残して消えた。どれも致命的ではない。けれど「小さな不運」が積み重なり、彼女の世界は少しずつ曇っていった。
「ついてない」
それが、彼女の口癖だった。ある日、ケイトは大学構内で胡散臭い青年・クリュウと出会う。
金髪に青い瞳、軽薄な言葉遣い。彼が差し出したのは、“幸運を感じられる薬”だった。それは幸福を与える薬ではない。不幸が見えなくなるだけの、空色の錠剤。
疑いながらも飲んだその日、ケイトは気づいてしまう。
世界は何も変わっていないのに、自分の感じ方だけが変わったことに。
失敗も、喪失も、苛立ちも、どこか遠くへ流れていく。理由はどうでもいい。ただ「楽」だった。
薬を飲む理由は、次第に軽くなっていく。
嫌な客、壊れた家電、朝の気怠さ。そしていつしか、飲んだ理由さえ忘れるようになる。
薬を売り、傍にいるクリュウは言う。人は幸福を求めているのではない。ただ、不幸から逃げたいだけなのだと。
不幸を感じなくなることは、救いなのか。それとも、ゆるやかな破滅なのか。
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
順位を読み込んでいます…