異世界恋愛 完結・全50話

『君は何もしていない』——そう言われたので、本当に何もしないことにしました 〜当たり前だと思われていた悪役令嬢が屋敷を出た翌日から、公爵家は三日で崩れ落ちました〜

まる 2026/09/14 公開 2026/10/01 18:00 更新

あらすじ

 「君は何もしていない」

 夜会の真ん中で、婚約者のユリウス様はそうおっしゃいました。百人からの貴族が聞いている前でした。

 わたくしがヴァルトハイム公爵家に入ったのは三年前、花嫁修業という名目でのことです。朝は五時に起きて使用人に一日の指示を出し、厨房に献立を通し、帳簿をつけ、領地から上がってくる陳情を仕分けて、出入りの業者と値段を詰めて、社交シーズンの招待状を百二十通手配しました。去年もその前も、同じことをしています。誰にも申し上げたことはありません。一度も訊かれませんでしたので。

 ですから「何もしていない」というお言葉は、たぶん正しいのだと思います。あの方の目には、本当に何も映っていなかったのでしょう。

 承知しました。では明日から、本当に何もいたしません。

 鍵束をお返しして、帳簿をお返しして、わたくしは屋敷を出ました。引き継ぎ書は書いておりません。どなたからも求められませんでしたから。

 三日後、公爵家の朝食は誰も時間を知らないまま冷めていったそうです。一週間で出入りの業者が消えて、二週間で使用人が七人辞めたと聞きました。わたくしはそのころ北の辺境におりましたので、全部あとから人づてに知ったことです。

 ところでその辺境の領主様は、わたくしの顔でも家柄でもなく、三年前にわたくしが書いた帳簿の字を見て「これを書いたのはあなたか」とおっしゃいました。三十二歳の、やたらと落ち着いた方です。

 これは、やって当たり前だと思われていた女が、自分の名前で呼ばれるようになるまでの話です。

※本作はアルファポリスにも掲載しています。
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ポイント

総合ポイント 302
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
評価ポイント 18862.3% ブクマ×2 11437.7%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

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8.95
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ブクマと評価ポイントの推移

10/26〜11/01(7日間)
ブクマ 57+2(7日間)
58 56 54 10/26 10/29 11/01
評価ポイント 188+16(7日間)
185 180 10/26 10/29 11/01

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/01 57 ±0 188 ±0
10/31 57 +1 188 ±0
10/30 56 ±0 188 ±0
10/29 56 ±0 188 ±0
10/28 56 ±0 188 +8
10/27 56 +1 180 ±0
10/26 55 ±0 180 +8

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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