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碓氷さゆ 2026/05/02 公開 2026/06/28 19:30 更新
公爵令嬢リリアーナ・エルフェルトは、王太子アルヴィスの婚約者として、幼い頃から王国のために尽くしてきた。
王妃教育、政務の補佐、外交文書の修正、財政管理。
すべては未来の王妃として国を支えるためだった。
けれど卒業記念舞踏会の夜、アルヴィスは聖女候補ミリアを隣に立たせ、リリアーナに婚約破棄を告げる。
「お前のような冷たい女を、王妃にするつもりはない」
身に覚えのない嫌がらせ、毒殺未遂、聖堂への不敬。
偽りの罪を並べられ、誰もリリアーナの言葉を信じない。
父さえも彼女を庇わず、ついには明朝の処刑が命じられる。
すべてを失ったリリアーナの前に現れたのは、敵国ヴァレンティス皇国の若き皇帝カイゼルだった。
「彼女は私の命の恩人だ。罪人と呼ぶことは許さない」
処刑台へ送られるはずだった悪役令嬢は、敵国皇帝に求婚され、皇国へ迎えられる。
冷酷皇帝と恐れられるカイゼルは、なぜかリリアーナにだけは不器用なほど優しい。
皇国の人々もまた、悪女と呼ばれた彼女の本当の姿を知り、少しずつ受け入れていく。
一方、リリアーナを追放した王国では、政務が滞り、外交は崩れ、財政は悪化し、不作と魔物被害が広がり始める。
王国を支えていたのは、聖女ミリアではなく、リリアーナの「星霜の加護」だった。
失ってから気づいても、もう遅い。
これは、冤罪で断罪された悪役令嬢が、敵国皇帝に溺愛されながら本当の居場所を見つけ、彼女を捨てた王国に静かにざまぁする物語。
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