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イスコ 2025/06/16 公開 2025/06/16 18:54 更新
王都セリオスの西、雲海の果てに浮かぶ断崖の街カリュネア。ここに一人の魔術師見習い、リーナは暮らしていた。塔の最上層にある彼女の部屋からは、朝になると銀の靄と空に漂う星々が見える。星が地上に落ちることがある世界──それがこのアルディエルだ。
リーナには恋人がいた。騎士団所属の青年、カイル。容姿端麗、剣技優秀、街の誰もが一目置く存在だったが、リーナにとっては息苦しい存在でもあった。
「お前には危険な任務は似合わない」「塔から出るな」「星読みばかりして、何になる?」
カイルの言葉はいつも優しさを装っていたが、リーナにはその裏にある支配欲が見えていた。ずっと我慢してきた。なぜなら、リーナの家系は魔力の暴走体質を持ち、定期的にカイルの持つ封印の剣によって魔力を抑える必要があったからだ。
──彼の力がなければ、生きていけない。
それが、彼女が別れられない理由だった。
しかし、ある日、リーナの体内で眠っていた「真の星核(アストラ・コア)」が覚醒した。魔力の暴走を自ら制御できるようになったのだ。もう彼の剣も、制約も、必要ない。
「これで、私は……自由になれる」
そう思った。もうカイルに従う理由も、そばにいる理由もない。彼に別れを告げようと、リーナは騎士団の砦へと向かった。
だが──その日、運命は再びねじれた。
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