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結月 香 2023/09/07 公開 2023/09/19 08:33 更新
希少な光属性を持つエステルは、聖女として神殿に所属していた。
心優しい彼女は、五年前の戦争で未だに貧しい国民のため、神殿が行う炊き出しにも積極的に参加していたが、実は彼女にはもう一つの属性があった。
それは毒属性。
毒属性の特性により、彼女が作る料理は全て、口にすればやがて死に至る殺人料理(デスフード)になってしまうのだが、貴重な聖女と言う存在を失う訳にはいかない神殿の意向により、本人のみ二つ目の属性について知らない状況となっていた。
当然、彼女が炊き出しのために作る料理を食べるものは誰一人としていないのだが、何故かそれを貰って帰る人は多くいた。
そんなある時、神殿にエステルの婚約者である第二王子レナルドが現れ、彼女に次の晩餐会で主賓である隣国の皇帝に料理を振る舞ってほしいと言い出す。
自分が王になりたいレナルドは、皇帝をエステルの作る毒料理で暗殺して帝国の領土を自分の手中に収め、それを戦果として王に成り上がろうと考えていたのだ。
そんな企みなど知らず、王城で厨房を借りることになったエステルは、食材を調達しに行く最中に、レナルドと男爵令嬢の逢引現場を目撃してしまい、レナルドからは「面白みのない女と彼女は違う。お前とは婚約破棄して、彼女と結婚する。お前は愛妾にでもしてやろう」と言われてしまう。
それでも、自分に与えられた仕事を全うしようと、純粋に皇帝をもてなすために腕を振るうエステル。
そして晩餐会、普通の人間ならば美味いと言って食べた数秒後に腹痛や痺れなどの症状を訴え始めるのだが、皇帝ガルリアは一切それがなく、なんとエステルの料理を完食して…?
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