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兵藤晴佳 2021/10/05 公開 2021/10/27 20:27 更新
たいして深いことを考えず、調査書の点数稼ぎと、タンクトップ姿の女の子目当てで演劇部に入ったオタクのヘタレ男・真崎周作は、劇作をナメきっていた。
上演作品を決める部活会議でも、早く帰りたい一心で、いい格好して台本を書くと大見栄切ったのが災いした。
だが、アニメとマンガの狭い常識に捉われたオタクが、舞台を立ち上げられるような台本など書けるわけがない。
気が付いてみれば連休前。
地区大会は、ダイナマイトに向かって導火線を走る火の如く、小刻みではあるが一日、また一日と忍び寄ってくる。
焦った部員たちから総スカンの吊るし上げに会いそうになった周作。
だが、それをかばってくれたのは、身体小さいくせに出ることしっかり出た、可愛い安藤かすみ先輩だった。
フラグが立ったと思いきや、そこが地獄の1丁目だった。
Sっ気たっぷりのかすみセンパイに、妥協の二文字はない。
超特急の特訓が始まり、目からうろこの思いで劇作のテクニックを学んでいく周作は、次第に自分の台本への愛着を感じるようになる。
台本に真剣に取り組む周作に、厳しかったかすみセンパイも、ちょっと心を許しはじめる。
そして迎えた連休初日。
学校が閉鎖され、部活ができなくなる。
とうとう、かすみセンパイは女の子の大事な何かを賭けた、最後の決断をした。
「両親とも、ずっと家を空けてるんだ。だから……ね?」
(『ノベルデイズ』『カクヨム』様との重複掲載です)
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