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もしものべりすと 2026/01/12 公開 2026/01/12 15:28 更新
この世界に必要なのは、剣でも魔法でもない。——清潔な水だ
水道設備会社を定年退職した田所勝男(65歳)は、孫娘の誕生祝いに向かう途中で交通事故に遭い、命を落とす。気がつくと、中世ヨーロッパ風の異世界に40代の姿で転生していた。
与えられたのは【配管敷設】【水質浄化】【圧力制御】という、一見地味なスキル。剣も魔法も使えない勝男は、辺境の寒村で途方に暮れる。
だが、その村では疫病が蔓延していた。川から汲んだ水を煮沸もせず飲む住民たち。糞尿が垂れ流される街路。勝男はすぐに原因を理解する——水だ。全ては水が汚れているからだ。
40年のキャリアで培った知識と、異世界で得たスキルを組み合わせ、勝男は村に上下水道システムを構築する。疫病は収まり、村は活気を取り戻す。噂を聞きつけた領主は勝男を城下町に招き、やがてその技術は王都にまで届く。
しかし、勝男の「水の革命」は既得権益を脅かした。「聖なる水」を独占してきた神殿勢力は、勝男を「邪神の使徒」と断じ、彼の処刑を画策する。
一方、北方からは疫病を武器とする「腐海の魔王」が侵攻を開始。魔王軍は汚染された水を撒き散らし、王国の都市は次々と壊滅していく。
剣や魔法では止められない脅威。王国の命運は、一人の水道屋に託された。
「この世界に必要なのは、英雄じゃない。インフラだ」
定年退職したおじさんが、異世界の「当たり前」を根底から覆す——地味だけど偉大な、文明再建譚。
※この物語は小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで掲載されています。
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