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東曌 2026/10/18 公開 2026/10/18 14:25 更新
小室泰六(SHERLOCK)― Londonの遺恨、夢の中の十三番目の鐘
「十三回目だ……鐘が、もう一度……」
明治の東京・神田。探偵・小室泰六は、奇妙なうなされ声を上げていた。
相棒の和田進一に起こされた泰六は、悪い夢でも見たのかと尋ねられ、ゆっくりと口を開く。
それは、霧深いロンドンの夢だった。
名探偵シャーロック・ホームズと、その友人であり記録者でもあるジョン・H・ワトソン博士。二人のもとに浮かび上がったのは、十年前に起きた一人の男の失踪事件だった。
閉ざされた書斎。暖炉のそばに残された片方だけの手袋。そして、夜の静寂を破った十三番目の鐘。
時計が十二回鳴るのは当然のこと。しかし、十三回目の鐘など、本当に存在したのだろうか。
当時の捜査では、男は自ら姿を消したものと考えられていた。だが、証言には説明のつかない食い違いがあり、事件は完全な解決を見ないまま、十年の歳月に埋もれていた。
夢の中で事件を追い直すホームズは、かつての自分の推理にも疑いの目を向ける。
正しいように見える説明と、証明された真実は同じではない。
十三番目の鐘が告げるのは、失踪した男の行方なのか。それとも、十年間、誰かが胸の奥にしまい続けてきた遺恨なのか。
明治神田の探偵が夢に見た、霧のロンドンの事件。
これは、時代を越えて語られる、もうひとつのシャーロックの物語である。
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