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夜綴 2026/09/06 公開 2026/09/10 12:20 更新
思いやり深く、街の人々から「聖人」と慕われる神父ヨハネス。彼は愛する妻エレナと幼い息子トマスと共に、穏やかな信仰の日々を送っていた。
しかしある日、妻子は何者かに殺害される。犯人レイモンド・ハウザーは逮捕されるも、心神喪失を理由に無罪放免となり、ヨハネスの信仰は音を立てて崩れ去る。「神などいない」——そう確信した彼は、自らの手でハウザーを殺害し、その死体を誰にも見つからぬよう闇に葬る。
だがそれで終わりにはならなかった。法によって裁かれることのなかった別の罪人の存在を知った彼は、「神が沈黙するなら、自分がその代わりを担う」という歪んだ使命感に目覚めていく。二人目、三人目と犯行を重ねるうち、彼は死体を磔刑の姿に飾り立てることに、抗いがたい愉悦を見出すようになる——罪という汚物を、自らの手で神聖なものへと作り変える喜びに。
やがて彼は「カルヴァリー・キラー」としてメディアを賑わせ、街は恐怖と、そして密かな崇拝の声に包まれる。仮面の神父としての顔と、裁きを執行する殺人者としての顔——二つの顔の境界は、少しずつ溶け合っていく。
信仰と狂気、赦しと裁き、その境界が溶けていく男の物語。
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