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安ころもっち 2026/02/15 公開 2026/10/25 19:20 更新
武田加奈、二十四歳の冴えない事務職OL。
ある日曜日の午後、暖かな日差しを浴びながら、愛犬のレイといつもの公園を散歩。
突如、足元の芝生から猛烈な白い光が噴き出し、視界が真っ白に染まり、強烈な浮遊感に胃が浮く。
混乱する私は、|愛犬《レイ》をぎゅっと抱きしめ、目を閉じる。
次の瞬間、私は冷たい石床の上に立ち尽くしていた。
目の前には、三段腹を真っ赤なベルベットのマントで包んだ中年男。 見るからに王なのだろう。
その傍らには、金髪をなでつけ、軽い女なら一瞬で落とせると確信していそうな、色ボケた表情の男。 王子様なのかもしれないと、そんなことを考えていた。
「ついに我が国にも聖女が現れたのだな! これでこの国も……ぐははははっ!」
王と思われるおじさんが笑い声を上げる。
ローブを着た老人たちがステータスを確認すると言い、水晶玉のような道具をこちらに翳していた。
目の前で映し出される異国の文字。 だけどはっきりと意味が理解できるその光景に、ああ、異世界転移というやつなのかも?と首を傾げる。
鑑定結果が出た途端、彼らの顔から露骨に期待が消え失せた。 私のスキルは「保護者」という、望みとはかけ離れた理解不能な内容だったようだ。
「なんだ、聖女ではないのか? まったく、ぬか喜びさせおって、使えん女だ!」
王が虫ケラを見るような目で私を睨む。 期待外れだったからって、その態度はあんまりだ。 そう思って苛立つ私。
すると、王子がニヤけながら私の顔を覗き込んできた。
「顔立ちは悪くないな。 俺の妾ぐらいにはしてやってもいいぜ?」
彼は安っぽい香水の匂いを漂わせ、私の腰に手を回そうとしてきた。 ヨレヨレのパーカー姿の私に妾の打診とか、この王子の審美眼はどうなっているのか。 怒りよりもそんなことを考えてしまう。
こうして、私の異世界の冒険は幕を開けた。
◆◇◆◇◆
※作中に登場する団体、国、人物など、全て架空の存在です。
2026.06.13 26話、43倭、魔人の敬称に誤りがありました。訂正します。
[完結]捨てられ聖女と森の主
https://ncode.syosetu.com/n7147ji/
[完結]侯爵家の三男だけど能力板には大盗賊って
https://ncode.syosetu.com/n7409iu/
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