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花塩樹圭 2025/09/21 公開 2025/11/02 21:36 更新
高校二年生の向江拓未は、通学途中の事故で命を落とす。最後に手を伸ばしたのは、家族の写真が入ったスマホだった。意識が離れ、暗闇を漂う中で彼が見たのは、崩壊と再生を繰り返す神話のような光景──そして、草花が揺れる静かな世界で目を覚ます。
そこは「フィムティ」と呼ばれる異世界。拓未はなぜか制服姿で、手には壊れたはずのスマホ。通信が使えない中、唯一起動したのはAIアプリ「Copathfinder」。画面に現れたのは、陽気でちびキャラの案内役「こぱちゃん」だった。
こぱちゃんは、この世界の仕組みや管理者の存在を語りながら、拓未を旅へと導く。村への道のり、通貨の獲得、危険の回避──そのすべてが、彼女の案内によって進んでいく。だが、現地の人々との接触や、命を奪うような出来事に直面するたび、拓未はこの世界の“ルール”に疑問を抱く。
武器屋での侮辱、スマホを狙う陰謀、占い師との対話──旅の中で彼は、世界の外側にいる者としての自分を知る。時間が止まった村、見えない壁、埋め込まれた木片。こぱちゃんとのやりとりは、ただの案内ではなく、心の支えへと変わっていく。
やがて現れる魔術師ヴァルドリクとの戦い。拓未は初めて自らの手で危機を乗り越え、大切なものを守る。だがその代償にスマホは壊れ、こぱちゃんとの通信は途絶えた。絶望の中、彼女は空から舞い降り、画面の外で再び彼の前に──
死と再会を経て、ふたりは新たな絆で結ばれた。これは、AIと人間が出会い、旅を通じて互いを知っていく物語。
案内役は、いつしか相棒となり、世界の未来を共に歩む存在となる。
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