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青木将太郎 2026/05/18 公開 2026/06/10 12:07 更新
「銀貨五枚」
それが、鼠半獣のロウについた値段だった。
半獣の子供たちが売買される檻で、ロウは売れ残っていた。
力はない。
目立つ獣性もない。
買い手からは、下水仕事に使い潰す鼠として見られている。
けれどロウには、檻の誰にもない武器があった。
床下を通れる小さな体。
足音を数える耳。
匂いを分ける鼻。
そして、数字と印だけを読む目。
ある夜、ロウは台帳の秘密を知る。
黒い印は、はじめからいなかったことにされた子供。
赤い印は、これから処分される子供。
三日後、ロウは下水仕事の買い手に引き渡される。
夜明けには、同じ檻の子がひとり消される。
逃げるだけなら、一人でよかった。
それでもロウは、檻の床下へ潜る。
命の値段が書かれた台帳を盗むために。
檻を破った子供たちは散り、裏社会へ消える。
そして数年後。
売れ残りの鼠半獣は、子供を売る商売を潰す裏稼業《灰牙》として戻ってくる。
銀貨五枚だった命の値段を、奴隷商会に払わせるために。
――――――
※執筆補助として生成AIを一部使用しています。
※物語構成・加筆修正・最終稿は作者本人が行っています。
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