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国府宮清音 2026/04/22 公開 2026/05/01 20:10 更新
物心がついたころ、偶然、母が義母だと知った。
おかしいと思っていたのだ。
私は、“知の番人”と称されるトレド子爵家の長女。
家には男子がおらず、私が嫡女のはずなのに、扱いが妹に比べてひどく悪い。
それはまるで、物語で読んだ、庶子のようで。
「お姉様。それ、くださいな」
そう言われたら私は、どんなに大切なものでも差し出さなければならないのだ。
この家は、義母と妹を中心に回っている。
そんな中で私は、妹が唯一、興味を示さなかった本の世界へ没入した。
物語が心を慰め、知識が私を形作る。
成長した私は婚約することになった。
本来なら婿を取り、家を繋げるはずの私がなぜか、嫁に行く。
全てを奪われ、追い出される日を待つだけの私に、転機が訪れる。
舞踏会の夜。
妹に婚約者を奪われていたと知った私は広間を抜けて。
辿り着いた書物庫で、少しくたびれた壮年の男性に出会う。
そして。
灰被りの娘は埃被りの娘へと変わり、新しい世界へと踏み出す物語。
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