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伊奈緒たく美 2021/02/12 公開 2021/02/12 22:00 更新
女学校時代にエスだった千代とは卒業後も手紙のやり取りをしていた。しかし、戦時中の混乱で彼女との連絡は途絶えてしまう。その後、長い時が経った私は、夫との死別をきっかけに介護付有料老人ホームに入居することを決意した。老人ホームに入居するために断捨離をするときも、どうしても千代との間の手紙を捨てられず、老人ホームに持っていくのだった。
老人ホーム入居初日、寝つけない私は、入居者名簿の中に千代の名前を見つけた。なんとかお願いして会った彼女は認知症で既に多くの記憶を失ってしまっていた。しかし、彼女の前で女学校の校歌を歌ったところ、彼女は少しだけ校歌を歌うことが出来た。彼女の記憶を取り戻すきっかけになればよいと思い、校歌や彼女と見に行った映画の主題歌等を一緒に歌ったり、彼女の好きな料理を作って食べさせたりするようになった。
そして、数ヶ月が経ち、桜の咲く季節となった。
彼女と一緒に桜を見に老人ホームの庭に行った時に、奇跡が起こった。
この作品は「Pixiv」にも掲載しています。
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