ヒューマンドラマ 短編

スーツケースの中      :約3500文字

雉白書屋 2026/01/16 公開 2026/01/16 11:00 更新

あらすじ

「ねえ、いま猫ちゃんの声がしたよー」

 午後三時過ぎの電車内。乗客はまばらで、空席が目立つ車内はどこか緩い空気で満たされていた。窓から差し込む陽の光は柔らかく、床や座席に淡い光の図形を落としている。ただその明るさには、午後特有の寂しさが薄く滲んでいる気がした。
 おれは縦に立てたスーツケースを両足の間に挟み、持ち手に添えた手の甲に額を預けていた。電車の規則的な揺れに身を任せていると、意識が少しずつほどけていく。眠りに落ちる直前、現実と夢の境目に立つあの感覚が心地よい。
 このまま沈んでしまおう――そう思った、そのときだった。ふいに聞こえた声に、おれは顔を上げた。
 向かい側の座席に、小さな女の子とその母親らしき女が並んで座っていた。二人とも、まっすぐこちらを見ている。母親はおれと目が合うと、口元をわずかに引きつらせ、申し訳なさそうに小さく頭を下げた。おれもつられて会釈を返した。

「猫ちゃんいるのー?」

ポイント

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日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/25〜10/31(7日間)
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1 0 10/25 10/28 10/31
評価ポイント 10+0(7日間)
11 10 9 10/25 10/28 10/31

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
10/31 0 ±0 10 ±0
10/30 0 ±0 10 ±0
10/29 0 ±0 10 ±0
10/28 0 ±0 10 ±0
10/27 0 ±0 10 ±0
10/26 0 ±0 10 ±0
10/25 0 ±0 10 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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