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Yomi 2026/11/07 公開 2026/11/08 06:57 更新
「七日後の披露宴は中止にしておいてくれ」
別の女性を選んだ婚約者は、私が病気になったことにして披露宴を取りやめ、キャンセル料まで私に負担しろと言いました。
そんな嘘偽りはお断りしました。けれど、館ではもう百人分の支度が進んでいます。せめて親しい方々にお料理を召し上がっていただこうと、私はささやかな食事会の招待状を書きました。
手を貸してくれたのは、いつも私の相談に乗ってくれた館の主人です。私にまた会いたいと言ってくださっている方々にも、声をかけてくれました。
思えば、婚約者は披露宴の打ち合わせに一度も顔を見せませんでした。それでも、あの人と話せる日だけは、館へ足を運ぶのが楽しみでした。
そして迎えた当日。私に呼べる客などせいぜい数人だろうと踏んで乗り込んできた元婚約者を待っていたのは、百人近い招待客で埋まった広間でした。
館の主人が、招待されていない方はお通しできないと告げると、元婚約者は侯爵家の名を振りかざして怒鳴りました。
「僕は侯爵家の貴族だぞ。誰に向かって口をきいている。名を名乗れ館主ごときがッ!」
「公爵家の跡継ぎ、ラインバウト・ド・ヴァレンヌと申します」
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