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栗藤久友 2026/08/20 公開 2026/08/27 20:00 更新
貴族の令嬢とは、家の格を飾る最高級の調度品でなければならない――。
上向きのだんご鼻をコンプレックスに持つアネッタは、六度のお見合いに失敗し、自身の容姿に絶望していた。外面の飾りになれないならばと、彼女はインクで指先を汚しながら、帳簿をつけ、治水計画を練り、領民の暮らしを守る「実務」に生きることを決意する。
そんな彼女の完璧な報告書に目を留めたのが、本家ベレスフォード伯爵家の次男ジギスムントだった。
彼もまた、磨き上げた鎧でサロンの置物になるより、自ら泥にまみれて土嚢を運ぶことを好む現場主義の男。
「俺が求めているのは、飾るための花じゃない」
世間が彼女の鼻の形ばかりを気にしてくれたおかげで、自分と出会うまで誰のものにもならずにいた――。
ジギスムントはアネッタの能力と、誰かのために働くその姿に惚れ込み、アジサイの花束を抱えて彼女のもとへ猛突撃する!
そんな二人の前に現れたのは、社交界で誰もが認める絶世の美女、フェリシア。
完璧な美貌と誇りを持つ彼女は、なぜかアネッタを引き立て役にするどころか、自ら泥にまみれて炊き出しを手伝い始める――!?
外面の美を極めた白鳥と、誰かの暮らしを守る美しさを持つアヒルの子。
誰も悪くない、だからこそ格好いい大人たちが織りなす、泥まみれの王道ロマンス。
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