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緑川 2023/07/21 公開 2025/07/04 23:55 更新
古から遍く人々に畏怖されし怪物。
それは人智を超えた不可思議な力と卓絶した身体能力を併せ持って、ただ快楽のままに破壊の限りを尽くし、異能黎明期の世界に厄災を齎したとされる。
今も尚、世界に根強く蔓延る理不尽たちを、人は総じて悪魔と呼ぶ。
そして、数百年の時が過ぎ、政治に金、戦争や宗教、陰謀論と様々な思惑が蠢く現代日本で異能競争に進出せず、悪魔被害にも遭うことなく、偽りの平穏を享受していた少年、黒瀬冬木は13歳の誕生日を迎え、久しく家族全員でのご馳走を堪能して眠りついた。
のだが、真夜中に神秘的な場所で冬木は目を覚ます。
全てが静寂にして殺風景で純白な世界でただ一人、無き出口を求めて彷徨っていたのだが、不意に終わりを見つけると共に忽然と謎の子供が姿を現した。
その異様な姿に息を呑む。
其々が異なりし三本の鎖に繋がれた白髪の少年に。
少年とのまともな言葉を交わす間も無く、一刹那に全面にして全域に砂嵐が発生し、見慣れた食卓には家族の惨たらしい姿が映し出されて迎えた夜明け。
上の空のままあっさりと食事を終えれば、異能によるショッピングモールの破壊の報道を目にし、連鎖する形で学校へ向かう最中の通り道、商店街での生命を逸脱した本物の悪魔との邂逅を遂げてしまう。
かろうじて保たれていた日常が打ち砕かれながらも学校に赴けば、皆との激しいギャップの差を感じてしまい、何とか我が家へと帰宅する冬木であった。
心に深い爪痕を残して厄災が過ぎ去ったかと思われた矢先、その夜に悪夢は現実へと変貌してしまう。
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