異世界恋愛 短編

濡れ衣で蜂場を追われ、巣枠の札を全部出します。冬に効きます

真神 慧 2026/08/13 公開 2026/08/13 21:10 更新

あらすじ

「あの女を蜂場から外れさせろ。蜂は、買えば手に入ります」——秋、寝かせ棚で蝋を数えていた背中側で、外から来た差配人が家令へそう話していました。身に覚えのない疑いでした。

伯爵家の蜂場を見るのは十二年、クセニヤの仕事でした。巣枠を回し、採った蜜蝋を二年寝かせてから教会納めの蝋燭の元にします。菩提樹の巡りの年は蝋が白く硬い。雨の多い年は水が残るので寝かせを三月延ばす。蕎麦の花に当たった枠は色が濃いので納めから外す。柱に貼れるのは刻限と枠数だけで、その日の読みは全部この頭の中にあります。

札は要らないと言われました。広間の柱には採蜜の刻限が貼り出されます。承知しました。蜂は、買えば手に入ります。では、札を全部お出しします。

十二年ぶんの札を机へ積み、燻し器を拭いて棚へ戻し、いつもの位置へ揃えて蜂場を出ます。

半年、何も起きません。倉には二年ぶんの寝かせ蝋があります。けれど冬、それが尽きた朝から、納めの蝋燭が芯のまわりから黒く煤を吹くようになりました。修道院の会計係が一本灯して首を振り、箱がそのまま返ります。誰も怒鳴りません。次の月から注文が来ないだけです。

自分の蜂場の前へ立った差配人へ、あの一句をそのままお返しするお話。

ポイント

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日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/26〜11/01(7日間)
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2 1 0 10/26 10/29 11/01
評価ポイント 20+0(7日間)
21 20 19 10/26 10/29 11/01

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/01 1 ±0 20 ±0
10/31 1 ±0 20 ±0
10/30 1 ±0 20 ±0
10/29 1 ±0 20 ±0
10/28 1 ±0 20 ±0
10/27 1 ±0 20 ±0
10/26 1 ±0 20 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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