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多田薫平 2017/01/13 公開 2017/01/17 10:00 更新
三つの太陽に照らされ、夜のない惑星NL―333、通称ニトレス。
植民惑星としては不的確な枯れた星を支配するのは、東銀河連邦から自治を認められた六企業コンソーシアムだ。惑星自体には資源はないが、十八個の衛星は金属資源の宝庫であり、複数の企業が採掘に当たっていた。そのため社員を常駐させるために、コンソーシアムを形成し、共同で植民地を経営していた。
過酷な自然環境の惑星上で、コンソーシアムの人々と資源が目的ではなく、植民地での商売を目的にした入植者たちは両極地帯と、巨大な太陽光発電用静止衛星が太陽光を遮るグロウミングゾーンにのみ、まとまった生活圏を築いていた。
氷河民族第百十二王朝の末裔であり雪女のユキ姫を乗せた原子力冷凍庫搭載の樽を背負い、グロウミングゾーンを目指して旅をする王朝近衛兵の六蔵は、途中の街道で兵士に追われていた少年ウラルを助ける。ウラルが乗っていたホバークラフトには同じ年頃の少年の腐敗した死体が、機能していない冷凍カプセルに納められて積まれていた。
ウラルを連れた六蔵は街道の宿場に立ち寄り、ウラルを女性医師カハクに診せるが、そこでニトレスの移植用臓器提供会社ペレットと子供の行方不明事件の関わりを知る。三つの太陽から容赦なく降り注ぐ放射線により、癌に冒される人々は、臓器移植により延命を図っていた。臓器不足の折に現れたのが、臓器を安く提供するペレットだった。ペレットは子供を誘拐し、臓器を違法に摘出し、売っているのだ、とカハクは語った。
ウラルがペレットから妹の心臓移植のための死体を盗み、逃げて来たことを知ったカハクは、六蔵にグロウミングゾーンまで、ウラルを送って欲しいと頼む。カハクもまた我が子をペレットに攫われた親の一人だった。
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