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小森こもり 2026/06/29 公開 2026/10/30 20:00 更新
異世界転移した。
ステータスも出た。
スキルもあるらしい。
勝った。
そう思った俺がバカでした。
「……履歴書じゃねえか!」
異世界へ放り出されたのは、五十二歳の実務屋・堺井真司。
期待して開いたステータスは、戦闘E、魔力E。
スキル候補に並んでいたのは、「情報整理」「工程管理」「関係調整」「販促設計」など、元の世界で培ってきた仕事の経験ばかりだった。
身体は少し若返ったらしい。
だが、言葉は通じない。身分もなければ、帰る方法も分からない。
勇者でもなければ、最初から特別な戦闘能力を与えられたわけでもない。
それでも真司には、現実世界で数々の修羅場を乗り越えてきた経験があった。
状況を見極め、問題を整理し、人を動かし、解決への道筋を組み立てる。
戦い方ではなく、働き方。
魔法ではなく、話法。
力任せではなく、まず段取り。
黒沼と呼ばれる不気味な存在。
真司の前に現れる謎のボード。
異邦人を警戒する人々。
そして、美しい巡回書記官セレーナとの出会い。
五十二歳のおっさんに、まさかの恋愛フラグ?
その成功確率は……さて、どれくらいだろう。
もっとも、今は恋愛より生存確率の方が切実なのだが。
セレーナや仲間たちとの関わりを通じて、真司は人々の抱える問題に向き合いながら、少しずつ異世界に自分の居場所を築いていく。
商売の駆け引きに、笑いと人情。
ときには避けられない戦いもあれば、胸を締めつけるような真実も待っている。
そして、目の前の問題を一つずつ解決していくうちに、その経験と選択は、やがて世界そのものを揺るがす出来事へとつながっていく。
なぜ自分は、この世界へ来たのか。
あのステータスボードは、いったい何なのか。
そして、この世界で自分は何を成し、どこへ向かうのか。
異世界テンプレを信じた五十二歳のおっさんが、人生経験と実務能力を武器に、予想外の運命を切り開いていく。
現実対応型・異世界実務サバイバルファンタジー。
※本作品は「カクヨム」にも掲載しています。
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