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綾瀬ヒロ 2026/03/11 公開 2026/03/18 18:00 更新
母に「女の子らしく生きなさい」と言われ続け、自分の居場所を見失っていた神尾あずさ。
彼女が逃げるように飛び込んだのは、信越本線・横川の機関区――碓氷峠を越える列車を支える、補機専用機関車EF63の見習い機関士という過酷な現場だった。
急勾配と豪雨、重い貨物列車、失敗の許されない連結作業。
「無理なら帰れ」と突き放す指導機関士・杉浦北斗のもと、あずさは毎日傷つき、叱られ、それでも必死に食らいついていく。
一方で軽井沢側では、華やかな制服に身を包み、観光キャンペーンの“顔”として注目を集める西園寺志織が脚光を浴びていた。
地味で泥だらけの横川と、華やかで人目を集める軽井沢。
同じ鉄道の仕事でも、そこにある景色はあまりにも違う。
母に認められなかった過去。
誰かと比べられ続ける苦しさ。
そして、ここでも「いらない」と言われたら帰る場所がないという恐怖。
それでもあずさは、鉄の匂いにまみれた機関庫で、少しずつ知っていく。
働くとは何か。
支えるとは何か。
守るべき現場があるとは、どういうことなのかを。
これは、逃げ場として選んだ碓氷峠で、ひとりの少女が本当の居場所と誇りを見つける物語。
過酷な峠を越える補機機関車EF63とともに、見習い機関士・神尾あずさの成長が走り出す。
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