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せい | 健康優良不良プログラマ 2026/06/02 公開 2026/06/30 23:42 更新
「婚約破棄ですね。では、議事録を取ります」
王宮の小ホールで第二王子から婚約破棄を突きつけられた瞬間、公爵令嬢エレオノーラに前世の記憶が戻った。
前世の彼女は、炎上案件をいくつも立て直してきたベテランのプロジェクトマネージャー。
断罪の場で泣くでも怒るでもなく、彼女は反射的に議事録を取り始める。決裁者は誰か。証拠は原本か。一次証言者は誰か。決定事項と未決事項を分けた結果、第二王子の婚約破棄は即時成立せず、宰相府預かりの正式調査へ持ち込まれる。
けれど、エレオノーラは完全な被害者ではなかった。
侍女を人前で叱責したこと。男爵令嬢リリアを家格で押さえ込んだこと。覚えている悪行がある。だから彼女は、捏造された罪を否定しながら、自分が傷つけた相手には謝罪だけでなく再発防止で向き合うと決める。
破滅フラグはリスク登録簿へ。悪評は関係者整理へ。謝罪は完了条件へ。被害者の声は反論材料ではなく要求へ。
王宮も公爵家も、彼女の目には「責任者不在、期限不明、未決事項だらけ」の炎上案件に見えてくる。
悪役令嬢のはずのエレオノーラは、ただ仕事を見える化しているだけ。けれどその一枚の議事録から、侍女、被害者、職人、宰相までもが少しずつ巻き込まれていく。
これは、魔法でも剣でも恋愛攻略でもなく、プロジェクトマネジメントとコミュニケーションで破滅フラグを管理する、悪役令嬢のお仕事転生譚。
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