ノンジャンル 連載中・全10話

マルトー・アルクィンの物語

初瀬ヤスタカ 2014/06/25 公開 2014/06/26 01:00 更新

あらすじ

帝国大元帥を務めるアントン・ラグラスの娘マルトーは偉大なる父の助けとなることを目標に帝国騎士を目指すが、各地方を巡察し、そして帝都の変貌を目の当たりにして、帝国を覆う問題が極めて深刻であること、父が難しい立場に立たされていることを知る。マルトーが晴れて帝国騎士叙勲が決まった日、幼馴染みの騎士ギムナス・アールセンと再会し、親睦を深めるが彼が
「王党派」と呼ばれる急進的な若手騎士達の指導者であり、アントンとは敵対する存在だと聞かされる。父を信じ、改革の成果が出るのを待って欲しい、とマルトーは訴えるが、話は決裂してしまう。ギムナスが王党派であることは秘密にすると誓ったマルトーだったが、直後に父のアントンから帝国騎士内の急進的な勢力の動向調査を命じられる。マルトーは即答して引き受けるが、内心ではギムナスを裏切るのか、父を裏切るのか、の二択に困惑し、己の無力に愕然とし自己嫌悪に陥っていく。
それでも騎士としての責務を果たしていたマルトーは、任務中に賊の子どもを殺めてしまい、五日間の休暇を言い渡される。悄然としながら家に戻ったマルトーに大貴族の令嬢からお誘いが届く。叙勲祝賀会で知り合い文通相手となっていたユーリシアからの誘いだった。お茶会の中でユーリシアの既存概念に囚われない自由奔放な考え方に感銘を受けたマルトーは、ギムナスともう一度向き合い、彼の性急な考えを止めることを決意する。だが、彼女の想定よりも早く、事態は動き始めてしまう。貴族の肝いりに新設された都衛士隊が帝都の新月地区を焼き討ちする事件が起こり、これが引き金となり王党派の騎士達は決起し、主要市庁舎の占拠、という行動にでる。次々と状況が進展していく中で、マルトーはもっと早く行動を起こさなかったのか、ギムナスが背負っていた苦悩を一緒に分かち合うことをしなかったのか、と自分自身を責め、無念さに慟哭する。その葛藤の中でマルトーはギムナスのことを想う自分自身の気持ちに気がつく。王党派の決起が不発に終わり、反乱軍として追い込まれている事を知ったマルトーは、ギムナスのために王党派への合流を決意する。新月地区にてギムナスと再会し、彼に自らの想いを伝えたマルトーは、ギムナスの命を助けるために帝都脱出を提案する。重傷のギムナスを逃がすため、囮部隊を率いて出撃したマルトーは、奮戦するも数に勝る正規軍に圧され、最後は自ら川に身を投じる。

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