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猫野 布団 2026/10/09 公開 2026/10/09 01:18 更新
「犬派? 猫派?」
それは、誰もが一度は聞いたことのある、ありふれた質問だった。
大学生の「僕」も、そんな何気ない質問に「猫」と答えていた。大学生活の中で出会った彼女と恋人になり、友人と笑い、アルバイトをして、何気ない毎日を過ごしていく。
そんな僕には、大学の近くにある空き地に一匹の猫がいた。僕が「ごぼう」と名付けたその猫は、彼女との思い出にもなっていった。
しかし、幸せな日々の中で、少しずつ違和感が生まれ始める。
野良猫を見かけなくなった。
ごぼうも、いつの間にか姿を消した。
それなのに、周囲の人間は誰も気にしていない。
やがて僕は気づいてしまう。
消えているのは、猫だけではない。
猫の写真も、看板も、置物も、そして猫に関する人々の記憶までもが、世界から消えているのだ。
その一方で、世の中では「犬」が当たり前の存在になっていく。
そして僕は、ある一つの真実にたどり着く。
「犬か、猫か。」
その選択によって、どちらか一方だけが残る。
そして選ばれなかった側は、存在そのものを失う。
さらに、その選択は動物だけに留まらない。
犬を選んだ人間と、猫を選んだ人間。そのどちらかもまた、世界から消えてしまう。
大切な彼女、家族、友人。
すべてを残すのか。
それとも、誰にも覚えられなくなった猫を守るのか。
これは、ありふれた質問から始まった、たった一つの選択をめぐる物語。
そして最後に問われるのは、犬か猫かではない。
「あなたなら、何を残しますか?」
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