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牛熊 2025/05/13 公開 2025/05/15 19:28 更新
「可愛いぬいぐるみを作れ」
大国ロックミア共和国の首都、オックストンに店を構える高級服飾工房ハーディプール。
そこで働く若手服職人のネイトの元に、ある日突然思いがけない仕事が舞い込んだ。
事の発端は冗談のような話だった。
ロックミア共和国は隣国ヘザーリン帝国と長きに渡って衝突してきた歴史を持つ。
両国の外交関係が悪化の一途を辿っていく中、ヘザーリン帝国は嫌がらせの一環として、国産の高級ぬいぐるみ「ベアトリス」を輸出禁止にした。
そして、この嫌がらせが思いもよらぬ波紋を起こす。
ロックミア共和国の権力者たちが、ベアトリスを欲しがる家族から非難され始めたのだ。
権力者たちからの輸入再開の訴えに耐えきれなくなった共和国の大臣は、ハーディプールに国産の高級ぬいぐるみを開発するよう命令を下し、その任務がネイトの元へと転がり込んで来る。
与えられた仕事は誰もが嫌がるものだった。
政府が絡む注文など、失敗した時のリスクを考えれば絶対に受けたくない。
そもそも彼らは服職人であって、ぬいぐるみ作りは完全な素人。
ネイトは礼儀知らずでたびたび客を怒らせ、短気で喧嘩っ早く他の職人と折り合いが悪い。
相方のラッセルは経験豊富な服職人だがハーディプールに来たばかりで、しかもネイトと同じく周囲に馴染めていない。
そんな爪弾き者2人が外れくじを引かされた。
ネイトとラッセルは当初、適当に仕事をこなしてさっさと解放されようと企てる。
しかし、事態は更に悪化する。
ロックミア共和国のモーリス元帥とヘザーリン帝国のドルフ元帥が、ぬいぐるみをきっかけに衝突。
激昂したモーリス元帥はネイトらに向かって、「このぬいぐるみ作りは共和国と軍の威信を賭けた争いだ」と叫んだ。
そして、「失敗は許さない。首を刎ねられたくなければ、最高のぬいぐるみを作れ!」と命令を下した。
ただのぬいぐるみ作りが、気がつけば命のかかった仕事に変わっていた。
ネイトとラッセルは慌てて本腰を入れだすが、彼らの前に多くの壁が立ちはだかる。
「俺にはもう、可愛いってのが何なのか分からねえ!」
こうして、2人の職人が悩み、苦しみ、ぬいぐるみに振り回される日々が始まった。
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