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一ノ瀬和里 2025/01/12 公開 2025/01/19 10:00 更新
物語は、昭和五十年生まれの主人公「僕(マツウラ)」の一人称で展開する。昭和五十年とは団塊ジュニア世代であり、社会人になる年には「就職氷河期」世代と呼ばれる。主人公は大学に進むも除籍となり、一度目の自殺を図るが失敗する。その後働き始めるが、精神的に弱いためIT業界での派遣労働で糊口を凌ぐ。主人公の人生を主軸に、その世代を取り巻く文化(風俗・スポーツ・受験・ネット社会等)を織り込む。
日常的に暴力を振るう団塊世代の父親と、それに耐える母親の元で、主人公はサッカー少年団に入り、全国開催の草サッカー大会に出場するも全敗する。中学校受験を希望するも叶わない。公立中学では、変わった教え方の教師や、決まりきった進路指導をする担任と、親との間で軋轢に悩まされながら、私立受験には惜しいところで失敗し、公立高校に通う。高校でサッカー部に所属した主人公は、部の合宿で、副顧問と一杯飲むという奇妙な体験をする。入学したK高校は、大学受験浪人が多数生まれる、「四年制」と揶揄される、学校行事に力が入る高校であった。浪人を経験し、父親に恐怖しながらなんとか合格した大学に通うものの、本懐の講義に出席しない。周囲の雑談が多すぎて教授が叱るという事実が、父親の怒鳴り声を想起させ主人公には耐えきれないのである。結局大学は留年を繰り返した上で
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