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masuga 2026/05/17 公開 2026/09/21 19:00 更新
時は明治。
華族・一条家の次男、聡。
妾の子として生まれた彼は、幼い頃から一条家の親族たちに冷遇され、華やかな屋敷の中で孤独を抱えて生きていた。
そんな聡のそばにいるのは、執事の息子であり、幼い頃から仕えてきた巧。
幼馴染であり、主従でもある二人。
決して越えてはいけない身分の壁に隔てられながらも、巧は母を亡くして心を閉ざした聡をずっと見守り、「この人だけは、自分が生涯守る」と心に誓っていた。
けれど――聡もまた、巧を手放すつもりはなかった。
「巧は、ずっと僕のそばにいてくれるよね?」
穏やかな笑顔の奥に、聡は誰にも見せない強い執着を秘めている。
自分を守ってくれる巧を、誰にも渡したくない。
たとえ、それが一条家の親族であろうとも。
やがて一条家を巡る権力争いが二人を巻き込み、聡は自分と巧を引き離そうとする者たちに、静かに牙を剥いていく。
守る者と、守られる者。
いつしか二人は、互いのためならどこまでも手を汚せる「共犯者」になっていく。
主だから。
従者だから。
――そんな理由だけでは、もう互いをそばに置いておけない。
光の中で生きる者たちの陰で、二人だけの「夜」が始まる。
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