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春科シオン 2026/08/17 公開 2026/11/01 18:10 更新
魚が宙を泳ぎ水晶が地を流れ、揺らぎのエネルギーが満ちる世界。
人々は「祭壇」で祈ることで揺らぎの恩恵にあずかり暮らしてきた。
その揺らぎを自在に操ることができるなんて——どうやら他人に知られると面倒らしい。幼い頃にそう気付いてから、異能を宿す兄妹はそれを隠して生きてきた。堅実に、したたかに。そして長じて行政府の職員になった。
人々の暮らしを裏から支える、重要でありつつも地味な役目——のはずだったが。
「え案内するの? コレを? 本当に? そもそもなんで下っ端のウチらが?」
ある日、二人に異例の任務が指示される。いわく、異常動作をしている未知の遺跡祭壇へ「極秘の客人」を案内せよ、との旨。
しかし待ち合わせ場所に現れたのは、年端も行かない少女だった。
地域住民の暮らしがかかってるんだけど……間違いだったら誰が責任とるの?
半信半疑でエスコートを開始するが、ナヴェットと名乗る少女の思わぬ博識さ・観察力の高さの前に、二人が隠していた異能を早々に見抜かれる。
「私たちは、ナヴェット様が隠したいことも見てしまうかもしれません。恐ろしいと仰っても大丈夫ですよ。私たちは慣れております」
「慣れておられるはずありません! それに……」
何かを密かに決意したような、不敵な表情で少女は微笑んで見せた。
「私は、とても隠しごとが上手いのですよ」
互いの隠し事を許容したまま道を進み、土地の人々と関わり、徐々に理解を深めていく。
やがて遺跡の深層にたどりつき——
いやこれ一介の職員が知って良いようなものではないのでは?
【世渡り上手で「美人」な兄×フィジカル器用で「酒カス」な妹×妙に達観した「異邦人」少女 謎の遺跡による異常現象の沈静化が三人の任務。解決方法を探り各地を(経費で)巡る、異世界公務員ファンタジー】
大切なのは建前と辻褄。
報告書と領収書で己を守れ。
これは、あくまでも組織人であり続けたいワケあり兄妹による、ある「出張」の記録。
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