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Sophia Rose 2026/05/25 公開 2026/05/25 17:00 更新
侯爵令嬢クラリッサは、妹の婚約式に出席するため神殿を訪れた。
白い花で飾られた祝福の場。
けれど入口に掲げられた席次表を見た瞬間、彼女は足を止める。
侯爵家関係者の席には、父の名も、妹の名も、婚約者側の名もある。
だが、長女であるクラリッサの名前だけがどこにもなかった。
父は言う。
「お前は裏方に回れ。家族なのだから、表に出る必要はない」
妹は微笑む。
「お姉様は、どこにいても家族ですもの。席がなくても祝ってくださるでしょう?」
クラリッサは静かに頷いた。
けれど、その婚約式には侯爵家代表の署名が必要だった。
そして現在、侯爵家の代表署名を正式に行えるのは、クラリッサだけ。
祝福の鐘が鳴る神殿で、彼女は静かに告げる。
「本日の席次表によれば、私はこの式に出席しておりません。出席していない者が、家門代表として署名することはできません」
これは、自分の席を奪われ続けた令嬢が、ようやく自分の居場所を選ぶ物語。
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