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春木 柊 2025/08/18 公開 2025/08/18 15:11 更新
―あなたはひとりぼっちじゃないんだってことを思い出してほしくて―
事故により両親を亡くした佐藤凪咲は、少しずつ心と体のバランスがとれなくなっていく。好きだった小説を読むことすらままならない日々。いっそ全て手放してしまおう、そう決めた凪咲の前に、一人の男性が現れる。微笑んでいるのにどこか哀しい目をした牧田圭一は、どこまでも優しくあたたかい対応で凪咲のことを肯定し続ける。牧田圭一に出会い少しずつ心と体のバランスを取り戻していく凪咲だが、ある日ふいに彼の過去に触れてしまう。彼の目の奥に住み着いた哀しみの影は、過去のある出来事によるものだった。「あなたも僕と同じなぞなぞの星の住民ですね」どこか不思議で掴みどころのない牧田圭一は、一体何のために凪咲を肯定し続けるのか。彼の過去に一体何があったのか。心と体のバランスを崩し生死の境目を歩く凪咲を救ったのは、牧田圭一から渡された一通の住民票。なぞなぞの星に住む彼らにとってこの住民票は、ただの紙切れではない。「この住民票がいつか佐藤さんの盾になって、あなたを傷つける何かからあなたを守ってくれることを願っています」その住民票に込められた牧田圭一の願いは凪咲へと伝わり、彼らの周りの人間までをもあたたかい気持ちへと変えていく。誰かを優しくあたたかく肯定し続けることは決して無駄なことではない。誰もが誰かを頼り、知らず知らずの間に誰かの生きる糧になっている。牧田圭一と佐藤凪咲が織りなす、どこまでも優しくあたたかい一つの物語。うまく生きられなくなっていた凪咲と哀しい過去を抱える牧田圭一。優しい思い出を積み重ねながらそれぞれの傷を癒そうとした二人、彼らの行き着く先は一体どこなのか。読んでくれた方の心にそっと触れ、あなたのことを肯定したい、そんな思いで書いた物語。
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