現実世界恋愛 連載中・全26話

魔王と勇者は、隣の部屋で配信中。

瀬那 2025/11/30 公開 2025/12/02 15:30 更新

あらすじ

 「ふはははは! 刮目せよ人間ども! 我こそは深淵より来たりし支配者、夜魔乃ベルである!!」

 安っぽいアパートの一室。
 六畳一間の薄暗い部屋で、私はパソコンのモニターに向かって高笑いを上げていた。
 画面の中では、銀髪に紅い瞳、ゴシックドレスを身にまとった美少女アバター――『夜魔乃ベル』が、私の動きに合わせて優雅に腕を組んでいる。

 そう、今日が私のVtuberデビュー配信だ。
 魔力を失い、この日本という異世界に飛ばされて早三ヶ月。生活費と信仰心(魔力)を稼ぐため、私は配信者として受肉したのだ。

 コメント欄がものすごい勢いで流れていく。

『うおおおおおお!』
『魔王さま万歳!』
『初配信おめでとう!』
『声かわいい』
『BGMでかい』
『音割れポッターで草』

 ふふん、チョロいな人間ども。この調子なら世界征服も時間の問題だ。
 私は事前にリサーチしておいた『人間界の知識(インターネット・ミーム)』を披露することにした。魔界の書庫にあった『アカシックレコード(人間界データベース)』で予習は完璧だ。

 「ふっ、貴様らの歓声、心地よいぞ。……ん? なんだそのコメントは」

 ふと、一つのコメントが目に止まる。

『回線重くて画質ガビガビ、ぬるぽ』

 ぬるぽ。
 その単語を見た瞬間、私の魂に刻まれた知識が脊髄反射を引き起こした。

 「……ッ! ガッ!!」

 しまった、つい野太い声が出てしまった。
 いかんいかん、魔王としての威厳が……。

『ガッ』
『ガッ』
『今ガッて言った?』
『脊髄反射で草』
『ガッ』
『ベル様、もしかして:老人会』
『知識のソースが2chなんよ』

 おや? なぜ笑われているのだ?
 私は咳払いを一つして、すました顔で(アバターが)言い放つ。

 「何を笑うことがある。今の人間界の女子高生(JK)の間では、『ぬるぽ』と言われたらハンマーで殴る勢いで『ガッ』と返すのが、最先端のトレンドなのであろう?」

『ちげーよwww』
『どこの時空のJKだよww』
『平成初期からタイムスリップしてきた?』
『かわいい』
『ポンコツ魔王の予感』

 ……おかしい。アカシックレコードには「インターネットにおける友愛の挨拶」と書いてあったのに。

 こうして、私の華麗なる(?)Vtuber生活は幕を開けたのだった。

ポイント

総合ポイント 10
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
評価ポイント 440% ブクマ×2 660%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

ブクマ
3
感想
0
レビュー
0
評価者数
1
平均評価
4.00
週間読者
0

ブクマと評価ポイントの推移

10/26〜11/01(7日間)
ブクマ 3+0(7日間)
4 3 2 10/26 10/29 11/01
評価ポイント 4+0(7日間)
5 4 3 10/26 10/29 11/01

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/01 3 ±0 4 ±0
10/31 3 ±0 4 ±0
10/30 3 ±0 4 ±0
10/29 3 ±0 4 ±0
10/28 3 ±0 4 ±0
10/27 3 ±0 4 ±0
10/26 3 ±0 4 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

順位を読み込んでいます…