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マスター 2026/06/28 公開 2026/07/20 13:24 更新
転生してから三か月。森の集落が少しずつ回復し始めた頃、遠い国セルドから使者が来た。
川が五年前から急減した、原因が竜だと思われる、山に入ると嵐が来る。解決できるか、という依頼だった。
凪が山に入ると、嵐が来た。岩が道を塞いだ。正面からは入れなかった。
別の道を探す中で、老人デルと出会う。百年以上前から伝わる言葉があった。「竜は、一人で泣いている」。
東側の小道から山に入ると、竜は現れた。嵐を起こさなかった。そして記録係のミアが竜に話しかけた。「泣いているなら、聞かせてください」。
竜が姿を見せた。山の奥に、地震で埋まった卵があった。百年間、一人で守り続けていた。助けてほしかった。でも、誰にも言えなかった。
凪たちと竜が一緒に岩を動かした。卵は無事だった。水脈の向きを変えた。川が戻り始めた。
セルドの次は、アルドへ。農地の土にムラがある問題を調べると、地下に百五十年前の水路があった。八十年前の地震で、水源の沢が塞がれ、放棄されていた。
山の中に、九十近い老人マリアが一人でいた。八十年間、沢を守り続けていた。都に頼んだが、来なかった。待ち続けた。
七人と一頭で、岩を動かした。沢が、本来の流れを取り戻した。農地に水が届き始めた。
マリアは都に残ることにした。毎日話を聞きに来るトウがいたから。記録されれば、残る。残れば、伝わる。
集落に帰ると、北の池に精霊が二つになっていた。ルナが毎日来ていた間に、子どもが生まれていた。
そして山から知らせが来た。泉に、水が少し戻り始めた。しかし、採掘の動きが、また出てきていた。
全部が解決することは、ない。でも、方向は変えられる。方向が変われば、続けていける。
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