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水源 2026/08/18 公開 2026/09/08 12:00 更新
大魔王ビッグ・ベンによって、北方の国々は次々と魔族の支配下へと落ちていた。
人類最後の希望として女神に選ばれたのは、聖剣を操る勇者ムーニー、魔剣を操る剣聖グーン、あらゆる魔法を使いこなす賢者メリーズ、回復と防御を極めた聖女オヤスミの四人。
誰もが彼らを「最強の勇者パーティ」と呼び、魔王討伐に大きな期待を寄せていた。
……ただし、勇者はパンツをなくし、聖女は戦闘中でも眠り、賢者はマズメシ。
そして、そんな彼らの旅に加わることになったのが、薬師の少女ポコだった。
ポコは特別な戦闘能力を持っているわけではない。
怪我をした人がいれば治療し、病気の人がいれば薬を渡す。
ただ、それだけ。
ところがある日、勇者たちが追い詰めた大魔王ビッグ・ベンが、なんと腹痛で戦闘を中断してしまう。
「魔王さん、お腹が痛いんですか?」
敵も味方も関係なく治療してしまうポコ。
「薬師が患者を見捨てるわけにはいきません」
その一言に、魔王は衝撃を受ける。
自分を恐れ、憎み、討とうとする人間しか知らなかった大魔王にとって、ポコの存在はあまりにも異質だった。
こうして始まるのは、人類と魔族の存亡を懸けた壮大な魔王討伐――ではなく。
魔王の腹痛を治したり、勇者がパンツを探したり、聖女が寝たりしながら進んでいく、ちょっと変わった勇者と薬師と魔王の物語。
やがてポコの「誰であろうと治療する」という信念は、勇者たちだけでなく魔族の心までも変えていくことになる。
これは、勇者と魔王と剣聖。
そして一人の薬師によって――
なぜか腹痛で世界を救ってしまった英雄たちの物語である。
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